徒然草 大阪のおじいちゃん(年賀シリーズ)
東京の自宅に帰ったら、年賀状がいくつか来ていた。LINEやらmessengerやらで済ますご時世に有難い。
書くネタも特になくてでも何か表現したかったので、とりあえずいただいた人のことについて、少し書いてみることにする。
・大阪のおじいちゃん
一番の達筆。実家にいた時も、埼玉に住んでいた時も、東京に住所を変えた今年も、毎年毎年送ってくれる。
毎回出張で大阪に帰るときは必ず顔を出すようにしているけれど、最近明らかにおじいちゃんの認知症が激しい。
出世欲がありバックボーンを気にするおじいちゃんだから、小さい頃から「いい学校に進学するんだよ」「いい会社に就職してや」とかよく言われて来た。うちの家系では珍しいタイプだったから、小さい頃は苦手意識があった。
先日の帰省でもおじいちゃんに会ったのだが、認知症が進んでいることもあり、私が東京で働いていること以外は出鱈目ばかりで、おじいちゃんの妄想の中で理想の私が生き続けているようだ。結構すごい人になってるっぽい。
今回の帰省で一つホッとしたことがあった。おじいちゃん家のドアを開けた時のことだ。
「おじいちゃん帰ってきたで~」
「お~おかえり~また背伸びたんちゃうか」
「高校から伸びてへんで~」
たわいも無い会話だけど、ふと思い返せば、毎回帰省するたびに「身長伸びたな~」やり取りをしていたことに気づいた。こちとら高校からめっぽう伸びていないので、毎回同じ回答をするのだが、それでも飽きずに(ボケて)聞いてくるあたり、きっとおじいちゃんの頭の中で、「孫の成長=身長の伸び」という物差しがあるんだろう。
「成長の物差し」に触れることは、大人になったら専ら「仕事の成果」の上でしかない。だから、息がつまることも多かったし、特に2017年は苦しかった。
だからおじいちゃんとの会話のような身内の物差しは、暖かくてホッとする。こういう風に自分を見てくれる人をずっとずっと大切にしていきたいと思うのです。